書き手:ゆーすけ
コートから、ひとり抜けていく
PLAYFULの練習では、こどもが途中でコートから外れることがあります。
ボールの弾む音が続いているコートの横で、ひとりぽつんと座っている。保護者としては、どう受け止めればいいのか迷う場面だと思います。

このことについて、心理学的な視点で少し解説してみます。これも一つの考え方に過ぎませんので、何かの参考や整理になれば。
「やめる」という選択肢があるから、遊びになる
「やめる」という選択肢があるから遊びだと思います。
その選択肢がないのは「お務め」かなとも思いますが、仕事だって病気になるくらいなら休んだって転職したって本来良いはずです。
日本は良くも悪くも「一度始めたら、終わりまでやるもの」「他の人に迷惑になるから」「我慢や忍耐が美徳」という固定観念が強い国な気がします。
そこには、周囲との調和を大切にしてきた文化的な背景も影響しているのかもしれません。
外れる理由は、大きく2つ|ミニバスでよくある場面
話を戻すと、こどもが練習から外れるという事は、当たり前ですが理由があるはずです。おそらく大きく分けて2つあります。
- 身体的・生理的な理由……トイレに行きたい、喉が渇いた、疲れた、誰かにぶつかって痛かった 等
- 感情的な理由……上手くいかない、悔しい、恥ずかしい 等
どちらも、本人にとってはちゃんとした理由です。
そう思って見ると、「外れる」は困った行動というより、伝えようとしている行動に見えてきます。
SOSサインの受け取り方|言葉は当たらなくても大丈夫
こどもにとって、これは危機場面のSOSサインと取れます。
大切なことは「あなたのサインを受け取ったよ」と大人が示して伝えてあげることかなと思います。
言葉がけを一発で当てる必要はありません。
「どうした? トイレ? おやつ? それも違う?」と、困りながらも自分を心配して気にかけてくれていること。その過程を経て気持ちが伝わった、わかってもらえたという安心感が、こどもを落ち着かせます。
これは泣いている赤ちゃんをなだめる過程、「痛いの痛いの飛んでいけ」でこどもが落ち着く過程と同じ原理だと考えられます(生理的には、オキシトシンというストレスをやわらげるホルモンが関わっていると言われています)。
外すのが上手じゃなくていい、というのは、ちょっと気が楽になる話だと思っています。

気付かれないと、どうなるか
逆に、こどもの危機場面のSOSにママや大人が試合に夢中で気付いてくれない、身体的・感情的状態を押し殺して参加を強制されるようなことが起きるとどうなるか。
バスケットボールや体育館、PLAYFULが「怖い」「苦しい」「ママが自分の相手をしてくれなくなる場所」としてインプットされる可能性があります。
そうなれば、行きたくなくなるという生物の本能的な防衛反応(回避)が働くのは、ごくごく自然なことです。
逃げたいのに逃げられない状況は、トラウマ体験(=無意識的な恐怖、身体的な拒否感)になることがあると言われています。
大人側の視点 ― ママとパパ
大人視点に移ります。
特にママは「みんなに迷惑かけたくない」と、良い人であるほど思いやすいです。パパは「苦しみを乗り越えて強くなって欲しい」と考える人が少なくありません。
ですので、こどもが大変とわかっていても参加を促す、ということが起きると思います。
そう親が思うこと自体は決して間違っていることではないのですが、こどもの発達段階を考えると、少し要求が早すぎる場合があります。
成長には、順序があります
成長過程としては、
自分を大切に(身体・感情)→ 相手を大切に(思考・共感)→ みんなを大切に(協調)
という順序があると考えられています。
特にバスケットボールはチームスポーツなので、大人がすぐに協調をこどもに求めてしまう側面もあるかもしれません。(ある日わが家に届いた、あるバスケ教室のチラシには、そんなことが強調されていた気がします)
こどもがぐずるたびに、播磨コーチがママにフォローをしてくれているのは、そんなことが起きているのかなと思っています。
もっとも、それは後々起きている事を整理して言葉にすればそうなるだけで、僕も瞬間的に上記のことを考えている訳ではないです。
脳の三層構造の話
スタッフから「理屈と感情」の話が出たことがありました。
理屈というのは脳が発達した人間特有の後付けであって、日常生活で起きていることは、身体(生理現象)や感情に合わせた生物的な反応です。
それは脳の三層構造(思考ー感情ー身体)という考え方からも説明されると言われています。

身体ー感情ー思考のバランスが非常に大切です。
身体的・感情的な欲求を我慢し続けて、思考・理屈(こうすべき)ばかりを優先すると、その無理のSOSサインが身体の不調(腹痛・頭痛など)として出ることがあると言われています。
それは、朝どうしても起きられない、お腹が痛くなるという反応に代表される、自分を守るために身体が防衛反応を起こしている、生物的・本能的な反応と捉えることができます。
人間も動物の一種なので、行動は脳の三層構造の内側から、①身体(爬虫類脳)②感情(哺乳類脳)③思考(人間脳)の順に優先されていくと言われています。
まとめ|「外れてもいい」がある場所は、たぶん居心地がいい
何が言いたいかというと、こどもが自分自身に正直になる、自分自身を大切にする、それを受け止める。
そんな原理原則を考えさせられる播磨コーチの投げかけだったなぁ、と思ったということです。
あとスタッフに、バスケットボール未経験のメンバーがいるのもPLAYFULの強みです。
バスケ教室なんだけど、楽しむのはバスケ以外の選択肢を選んでもいいんだよ、という緩いスタンス。多様性を認める姿勢が、大人側の心の余裕を生むのかなぁと思いました。
外れても大丈夫な場所だと分かれば、こどもは自分のタイミングでまたコートに戻っていける。僕はそう思っています。
体験はいつでも歓迎しています。気楽にのぞきに来てください。
以上、ゆーすけ の感想でした。
